スクーバーダイビングを始めたころ

 
これからスクーバーダイビングを始める人に、少しでも参考になればと思い自分自身の経験 したこと感じたことを書いています。
(ずいぶん時間が経過しているので、忘れたり記憶の不確かな部分も多くなっています。2001/10/27)





1 いつから始めたのか

平成8年6月社内旅行で「グアムツアー」に行くことになった。このツアーには各種のオプショナルツアーが組まれてあり、その中の一つとして「体験ダイビング」も含まれていた。
「グアムツアー」にせっかく行くのだからやろうと誘われたこともあり、また一生に一度くらい「ダイビングをしてみてもいいかな」という気持ちでオプショナルツアーである「体験ダイビング」を試してみることに決めた。
この時まで興味は有ったもののテレビ・映画などで水中の様子を見る程度であり、自分自身がやってみる事になると考えたことがなかった。

以前、沢を遡行していた時に滝壷で溺れそうになったことがある。その時以来、泳げない訳ではないけれども海でも川でも特に泳ぎたいという気持ちは薄らいでいた。泳ぐのは多くても1年に1度くらい、海水浴をする程度であった。あまり強いものではないが、水に対する不安感があった。言い換えれば、恐怖感かもわからない。
朝日連峰 根子川上流 入リソウカ沢

先に滝壷を泳ぎ渡った友人


溺れそうになり慌てて戻っているところ
2 グアムでの体験ダイビング

店で着替えを済ませたのち、体験ダイビングのポイントまで車で移動。
海に入る前に何らかの説明があると思っていたが、特に説明はない。(説明は有ったが、今は忘れてしまったのかもわからない。)
最初に入るグループがショップの人に手伝ってもらいながら準備完了し、「体験ダイビング」がスタートした。次のグループ(私)の順番がきたので、手伝ってもらい準備をして海に入って行った。水深1m位の所でレギュレーターを離さないようにとの説明は受けたように思うが、これ以外は定かな記憶はない。
 (離さないように思いきりマウスピースを噛んでいたのでダイビング終わった後、顎が痛かった。)
数回、頭まで浸かり海中での呼吸を練習した後、インストラクターの持つロープに数珠つなぎで掴まり引きずられて海の中へ入って行った。2回目は、要領も同じなので準備が出来ると、すぐにロープに掴まり引きずられて行くはずであったが、妙な不安感におそわれ海中へ素直に入って行けなかった。
 水面にてアシストしていたダイバー(インストラクターであったのかは不明)に促されて潜行ロープを掴んで海中へ入って行ったように記憶している。

体験ダイビングの印象
羊水の中にいるとは、こんな状態かも判らないとの不思議で奇妙な実感があった。 
海の中で呼吸が出来ることを実際に体験して納得・感激した。
海面を見上げた時、太陽がキラキラと煌いてきれいであった。
きれいで派手な色の魚が多いが、単にきれいだと思っただけであった。

体験ダイビングの安全管理
あまり説明してもらえず、こんなものかなという感じであった。(忘れている事もあると思う)
同行している仕事仲間で、以前にも体験ダイビングをしたことのある者に聞いてみたが他も大差無しとの話であった。

マスククリア         説明なし 練習なし
                運良くマスクに海水が入らなかった

レギュレータークリア    説明なし 練習なし
                顎が痛くなるほど、マウスピースを噛んでいたので離すこともなく終わった

(マスククリア・レギュレータークリアについては、Cカード取得講習時に初めて経験した。)

体験ダイビングの器材
マスク         有り  度つきのものは、数が少なく借りることが出来なかった
レギュレーター    有り  圧力ゲージは有ったが、オクトパスは無かった
BCD          有り  使い方の説明は無し、当然エアーの出し入れはしていない 古そうに感じた
ブーツ         有り  写真を確認して判ったがジッパー付近が破れている、憶えていない
フィン          有り  傷み具合は憶えていない
ウエイト        有り  何kg付けたのかは憶えていない
タンク          有り
ウエットスーツ    無し
シュノーケル     無し

体験ダイビングのダイビングポイント
グアムではよく体験ダイビングに使用されるポイントらしい、我々以外にも大勢来ていた。
水深は最大でも3m位でなかったかと思う。(深度計が付いていたのかどうか憶えていない。)

体験ダイビングの様子

   



体験ダイビング参加者 記念撮影


3 どのようにしてCカードを取得したのか
 
体験ダイビングをグアムで経験した後、ダイビングというものも面白いものだと思いはじめた。
継続してやってみたいと思ったが、どうしたら良いのかわからないままダイビング雑誌を購入し調べてみると、講習を受ける必要がありそうなことが判った。
(ダイビングをするにはCカードが必要というような事は書かれているが、全ての雑誌を見た訳ではないので不確かであるが何故必要であるのかは書かれていなかったように思う。)

自分の性格を考えると、時間的に長くかかるようであれば途中でやめてしまいそうなので、短期間で集中して講習を受けることが出来る「ダイビングライセンス取得 サイパン6日間」ツアー(8/11〜8/16)に参加することにした。
移動日を除いた実際の講習日数が、3日間あるいは4日間のものが同一雑誌に掲載されていたのでどちらにするか迷ったものの、どうせよく似た内容の講習をするはずだろうから日数の長い方が間違いはないだろうと考え決定した。
 (3日間講習と4日間講習とでは、指導団体が異なっていた。)
 (日本国内にはおよそ40ほどの指導団体がある。)
 (Cカードはライセンス・免許ではなく認定であることをこの当時は知らなかった。)
   

「ダイビングライセンス取得 サイパン6日間」 ツアー日程
  8/11   日本 〜 サイパン
  8/12   学科講習   最終テスト
  8/13   プール講習
  8/14   海洋実習 その1 その2   ログブック記入
  8/15   海洋実習 その3 その4   ログブック記入
  8/16   サイパン 〜 日本


Cカード講習時の感想
学科講習
1対1で一日中講習を受けた。
最終テストはOKであったが、学科の内容そのものは知識として十分に身につかないように思う。

プール講習
昼の休憩時間以外は、一日中プールの中にいたので疲れた。
プール講習から4人が参加し、全員で受講生が5人となった。(4人は学科講習を東京で済ませていた。)
レギュレータークリアの練習の時、、開口部を舌で十分押さえていない状態でパージボタンを押したため水が気管に飛び込み苦しくなり又驚いて立ち上がっ た、この時インストラクターの手が伸てきて引っぱられ、水中に引き戻された。(水深1m程度の浅い所で)
水中では逃げられるところは無い、立ち上がったところで何にもならない何とか自分で対処する必要がある、申し訳なかったが引き戻したと言われ、引っぱられた時はどうなるかと思ったものの
理解は出来た
度付きマスクのレンタルは無いというので、購入することにした。シュノーケルも購入。

海洋実習
プールで練習した事を海で確認。
ラウラウビーチ・オブジャンビーチそれぞれ2本づつ海洋実習を実施。
体験ダイビングの時以上に派手な魚がいろいろ泳いでいたが、この時特に印象に残った魚は、ガーデンイールのみであり他は名前を憶えていない。

Cカード取得について
水中は魅力のある不思議な世界であるが、自然を相手にするものであり種々の危険(最悪の場合は死亡) がある。人間の住めない場所である水中へ行くためには、十分な知識と能力が必要になる。

やってみたいと思ったら少しでも早く(若いうちに)始めた方が良い、頭・体での理解が早い。
 (年齢が高くなる程運動能力は低下してくる、頭で理解出来ても体はその通り反応しづらくなる。)

出来るだけ小人数の講習に参加する。 (少なければ少ない程良い)

判らない事については、インストラクターに聞くあるいは確認しながら講習を受ける。

学科講習は一日で全て実施するのではなく、時間をかけて理解を深めながら行う方が良い。

マニュアルをレンタルしてくれる場合もあるが、購入した方が良い。講習が終わっても手元に置いておくことで、すぐに見ることが出来疑問解消の手助けとすることが出来る。



4 初めてのファンダイブ
 
サイパンで講習は終了したもののファンダイブはしていないので、まずは早いうちに何処かでダイビングをしようと思っていた。
8月末になって出張があり、仕事帰りに何処かでダイビングをしようと考えて予定を立てることにした。

徳島県の甲浦
   9/1  甲浦湾 ビシャゴ   最大深度 7.1m  潜水時間 54分
   9/1  甲浦湾 大浦     最大深度 3.8m  潜水時間 56分
        透明度が悪くやっと5m先の人が、ボンヤリ見える程度であった


どちらも湾内のダイビングポイントである、ポイントまでは漁船に運んでもらいエントリーする。
漁船からはバックロールエントリーで入るのであるが、プールで練習してはいるものの海洋実習はビーチからのエントリー であったので、海面から1mもの高さにある船べりからのエントリーは初めてであった。
他のダイバーの様子を見ながら真似をしてエントリーしたが、押さえが甘く2回とも失敗してマスクに海水がはいってしまった。あわててしまうし、緊張するしでなかなか潜行できない。やっとの思いで2本潜った。



5 その後のダイビング
 
初めてダイビングに行ってみたものの、なかなか上手く出来ない。仲間もいないし判らない事、知らない事が多い。
器材は全てレンタルを使用していたが、継続してダイビングをするには自分のものが欲しいと思っていた。
地元にショップが無いか雑誌で調べてみた、以前雑誌を見た時には気がつかなかったが近くにあることが判った。すぐにウエットスーツを作り、フィンも購入。2回ツアーに参加してから、重器材を購入。

重器材購入について(私の考え方)
自分の命を預ける道具は、自分で持つ必要がある。
(全てを持てる訳ではないが最小限のものは自分のものとして管理したい、またその必要があると思う。)

何をするにも道具は大事であり、道具に対して興味・魅力・愛着を感じる。

十分整備されレンタルされている物があるとは言っても、自分のものほどの安心感は望めない。

どんな器材(古いもの・新しいもの・整備が十分でないもの)であっても使いこなす知識・能力・危険負担の覚悟があれば重器材を持つ必要はないかも判らない。



6 パニック

こういう事がパニックにつながるのかも判らないと思った経験
 
プール講習後の海でのドライスーツ講習の時、潜行ロープに掴まりながら潜行を始めたところ、息を吸う度にズルズルと海水が浸入してくる。「どうして」という思いのまま3m位は潜行したものの、このままでは危ないという不安感にいたたまれず浮上の合図をして、海面まで出た。インストラクターも浮上してきたので、海水が入って来る旨話した。インストラクターがテストをして大丈夫との返事。この時アレッと思い、思い出した事があった。


ドライスーツでの初めてのダイビングで緊張していたのか全く忘れてしまっていたのであるが、ダイビング 前日から考えていた事で
「今まではマウスピースを強く噛んでいたためダイビングをする度に、奥歯のあたりが痛くなったので今回は少し噛む力を緩くして試してみよう」
これを忘れていたため、シール不良で海水が浸入しても原因が判らずとまどうばかりで対処出来なかった。

水中での不安感がパニックを誘発することを、実感として感じた。(この時のタンク本数 66)



7 中性浮力
 
中性浮力をとれるようになったのは、ダイビングを始めてから50〜60本位潜った頃からではないだろうか。
講習は受けたものの、なかなか中性浮力をとることは出来なかった。
とりあえず自由潜行が出来るようになってからは、海底につくまでにBCDにエアーを入れ、着底せず何とか保持出来るように練習を重ねていた。
エアーを入れなければ沈んでしまうことは頭で理解はしていても、浮き上がってしまいそうな気がして中性浮力を取れるほどにはBCDにエアーを入れられず、いつもフィンを動かしていた。

             
毎回どうすれば良いのか考えて試して、また考えて試しての繰り返しによって体で覚えるしかないように思う。