8 落人の池 

屋島東町石場の山の奥に小さい池がある。

この池は、昔、源平合戦の時、源氏に敗れた平家の落人の一人が、土地勘もない屋島の山を、さまよいながら歩いているうちに、源氏の兵の発見するところとなり、逃げ回っているうちにこの池のほとりで力尽き、命を落としたという。

その後、池の中程に州ができて落人の魂がそうさせたのか、松の木が生えたという。太平洋戦後は池の管理が思うに任せぬままになっていたが、いつのまにやら枯れてなくなったという。
戦争とは、いつの世でも悲しいものである。